「自分にも何かできるんだ!」と実感した、週3時間からの社会貢献

ISAKの教育プログラム開発にプロボノで参画。熱量の高い人達と出会い、「こんな人がいるんだ、自分にも何かできるんだ!」と感じました。本業でも、大きくて新しいチャレンジをやってみてもいいかなと思うようになりました。飯田 陽一郎さん(HatchEdu – 2020参加者)

HatchEduは、教育で起業したい&教育をプロボノ支援したい人が集まるコミュニティとして、2020年からスタートしました。1期プログラムの参加者はHatchEduから何を得たのでしょうか?今回は、教育団体を支援するプロボノコース(Bコース)に戦略コンサルタントやマネジメント職の経験を生かして参加した飯田陽一郎さんにお話を伺いました。

プロフィール
名前:飯田 陽一郎
職業・所属:外資系メーカー管理職(前職は経営コンサルタント)
先生をするなら: 歴史の楽しさを伝える先生
学校をつくるなら: 松下村塾のように、将来のリーダーを輩出する学校
仕事のスタイル:ロジカルゴリ押し(といわれます)
好きな本:「仮説思考〜BCG流 問題発見・解決の発想法」(内田和哉)
子供の頃の夢:小学校の時は建築家、中学校の時は大学の先生

Contents

ISAKで戦略的重要度の高い新規プロジェクトに参画

飯田さんが参加したのは、全寮制インターナショナルスクール(高等学校)であるUWC ISAKジャパン(以下ISAK)の新規事業「ISAKx」立ち上げプロジェクトです。「ISAKx」とは、14-18才であれば世界中どこからでも参加可能な週末だけのオンライン教育プログラムで、ISAKが大切にしているエッセンスに触れる学習経験を提供することを目的としています。
飯田さんほか合計3名のHatchEdu Bコース参加者が6月からこのプロジェクトに参加。9月にはプログラムが立ち上がるという高速立ち上げのプロジェクトでした。

ー HatchEduに参加したきっかけは?

HatchEduの募集があったころ、ちょうど社内のインキュベーションプログラムで類似の事業を検討していたことから、「面白そうだ」と思い、キックオフイベントに参加しました。

Aコースのような、起業支援プログラムは世の中に結構あると思うのですが、Bコース的なもの、つまり自分が事業主体になるまでのコミットメントではなく、既存の教育プロジェクトを今の仕事を続けながら手伝えるような機会はレアですよね。そういった意味で、HatchEduのプログラム構成自体にも興味をひかれました。

ー もともと教育に興味はあったのですか?

両親が小学校の教員だったり、学生のときに塾講師や家庭教師をしたり、NHKの教育番組に関わったといったこともあって、教育を身近に感じてはいました。
ただ、「教育」に、というよりは、「人の成長支援」に関心があったという方がより近いかもしれません。会社でも、チームメンバーが育っていく姿に喜びを感じていました。

ー HatchEduでの「ISAKx」立ち上げプロジェクトの体制について教えて下さい。

ISAKにとって戦略的重要度の高い新規事業の立ち上げ
でしたので、ISAK側からは代表理事の小林りんさんや校長のロッドが参加。最終的には、ISAKxのオンラインプログラムで教鞭を取る先生たちと事業の内容をすりあわせたり、経理・人事の担当者とも協業したりしました。

HatchEduのBコース参加者からは、私を入れて3名が参加。私は新規事業の財務モデル作成ならびに立ち上げプロセスのプロジェクト・マネジメントを担当。ほかの2名のうち、1名は営業・マーケティング、もう1名はシステム面の構築やISAKとの連携などその他全てを担当していました。
加えて、途中から過去にISAKでプロジェクトをされていた方にも途加わっていただけたので、主には合計4名でプロジェクトを回していました。

この二人とチームメンバーとして一緒に働けたことが本当によかったです!それまで会社の外の人と触れ合う機会がなかったので、とても新鮮でした。それぞれのキャラも強みも違うので化学反応が面白かったですし、二人の行動力やネットワーク、気遣いなどにも感嘆しました。プロジェクトの進め方に疑問があったときは、参加者同士で相談し合えましたし、この二人が一緒だったから最後までやりきれたと思います。また、当初はISAKの組織構造もよくわからず暗中模索気味でしたが、4人目のメンバーとして参加された方にはISAKの組織内での動き方などを丁寧に教えていただき、そのおかげでスムーズに回るようになりました。

提案が次々と受け入れられた

ー プロジェクトを終えた感想は?

あのぐちゃぐちゃだった状態から、よく短期間で立ち上がったなと(笑)。最初は、「この事業をやりたい」という意思と、「なんとなくこんな感じで」というイメージはあるものの、ベースラインとして何が決まっているか確認すると、ほとんど何も決まっていないということが徐々にわかって…という状態でした。

ただ、決まっていないことが多いということは、「こうしませんか」という提案をする余地もたくさんあるということで。私達からの提案をどんどん受け入れてくれ、信じて任せてくれる度量がすごいなと。ちゃんと自分が提案したスケジュール通り、クオリティの高いアウトプットを出さなければいけないと思えました。
それに、代表理事と校長という、学校を率いるリーダーの2人がこの事業をどうしても立ち上げたいという強い気持ちをもっていて、思いにとても共感できましたし、何より面白そうだと感じたので、3ヶ月間、一緒に走ることができました。

参画したISAKxのウェブサイト。サイトの立ち上げにも関わった

ー 教育機関でのプロジェクトを体験されてみて、どんなことに驚きがありましたか?

衝撃だったことがふたつありました。まず教育機関は営利企業ではないので、事業の目的が利益を出すことではないこと。「こういう世界があるんだ!」と思いました。

もうひとつは、「得意、不得意があってよい」という考え方。りんさんも常々、「自分にもできないことがいろいろあるけど、他の人が補ってくれる」と言っていて、それがとてもポジティブなことだと感じました。

民間企業だと、ワークプランを書いて、スケジュールを切って、担当する人をアサインして…といった、プロジロジェクト・マネジメントのスキルセットが大事ですが、ISAKではこういったマネジメントをしている人はおらず、「これで本当にものごとが前に進むのかな」と心配するほどでした。だけど、教職員がお互いにフォローしあって、ちゃんと回っていたことは、とても興味深かったです。

熱量の高い人たちと出会い、チャレンジ意欲が掻き立てられた

ー どのくらいの時間をプロジェクトに費やしましたか?フルタイムでお仕事をしながらのプロジェクト参加は大変ではありませんでしたか?

いちばん忙しかった時期は週5-10時間くらい、軌道にのってからは週に2-3時間くらいで、主に朝の始業前の時間を使っていました。いちばん忙しかった時期はちょっと両立が大変なときもありましたが、まあ許容できる範囲でした。すべてオンラインで、気楽にコミュニケーションをとることもできたので、助かりました!

ー HatchEduに参加してワクワクしたことはどんなことですか?

熱量の高い人たちとの出会いでしょうか。小林りんさんもそうですし、キャリア・セッション(注:HatchEdu参加者対象の研修セミナーのひとつ)で同じグループになった、Aコース参加者の2人も、ものすごく熱量が高く、非常に刺激を受けました。こういった方たちと知り合えただけでもHatchEduに参加した価値が十二分にありましたね。

ー ご自身にとっては、どんなインパクトがありましたか?

世の中の見方が変わったと思います。これまで、ビジネスの世界しか考えていませんでしたが、大学に戻るのもいいな、ベンチャーを立ち上げるとか、いろいろな生き方があるんだなといった気づきがありました。

実は、HatchEduに応募するまでUWC ISAKのことを知らなかったのですが、小林りんさんが思いをもってISAKを立ち上げ、そのまま走り続けている姿をみて、「こんな人がいるんだ、自分にも何かできるんだ!」と感じました。本業でも、自分でこれまで考えていなかった、大きくて新しいチャレンジをやってみてもいいかなと思うようになりました。

ー HatchEduへの応募を考えている人へのアドバイスをお願いします。

強い目的意識がなくとも、多少なりとも興味があるのであれば、気軽にやってみることをぜひおすすめしたいです。教育業界での経験や知識がなくとも、違う視点やスキルで貢献できることがありますし、普段いる世界とは違う世界がひらけるので、とてもよい刺激になりました。飛び込んでみて本当によかったと思っています。

受け入れ団体からのメッセージ

UWC ISAKジャパン代表理事 小林りん
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、リアルでの教育が危機にさらされる中、その危機をチャンスと捉えて、オンラインでもISAK的な教育を世界中で体験できるようにしたみたい、とふと思い立ちました。が、飯田さんがおっしゃってくださっているように、5月末の時点であったのは「アイディア」と「思い」だけ(笑)。

今回のコースBのお三方のご助力がなかったら、3ヶ月でこのプロジェクトを成功裏にローンチすることは決してできませんでした。本当にありがとうございました。学校側の同僚たちも、ビジネス界ではこうやってプロジェクトをマネージするのか!マーケティングでは、こんなチャネルも開拓できるのか!と、多くのことを学ばせていただいたようです。重ね重ね、ありがとうございました!

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構成:江森 真矢子
取材協力:升野 頌子