教育団体で「プロボノ」をしながら、自身の夢についても背中を押してもらえた

「ちょっとでもきっかけがあったとき、その機会を生かしてイニシアチブをとって動けば、その勇気を受け止めてくれるコミュニティだと思います」岡部 瑛美さん(HatchEdu – 2020参加者)

HatchEduは、教育領域で起業やプロボノ支援をしたい人のためのプログラムです。今回は、1期プログラムに参加した教育団体を支援するプロボノコース(Bコース)に教員やベンチャー企業での勤務経験を生かして参加した岡部瑛美さんにお話を伺いました。

プロフィール
名前:岡部 瑛美
職業所属:人材系ベンチャー企業社員(前職は英語科の教員)
先生をするなら:総合的な学習の時間、地理学・哲学などの先生
学校をつくるなら:多様な文化的・宗教的バックグラウンドの人が寮生活をして相互理解を育めるような学校
好きな本:「嫌われる勇気」
子供の頃の夢:指揮者、教師

Contents

目指す世界に共感できるプロジェクトに参加

岡部さんが参加したのは、 一般社団法人Education Beyondの資金調達プロジェクトです。2020年7月に設立されたばかりの団体であるEducation Beyondは、学習意欲や知的好奇心の高い子どもたちの可能性を最大化することをミッションとしており、その第一歩として、米国で高い実績と長い歴史を誇るプログラムの日本への導入を目指しています。

ー 岡部さんは、教員からベンチャー企業に転職されていますね。

新卒で教員になりましたが、自分自身が学校の外の社会の仕組みを知らないことや日々の業務に追われていることをもどかしく感じていました。ビジネスの世界に身を置き、何かしら事業を立ち上げることで、学校や教育をよい方向に変えていく貢献ができたらよいなと思い、企業に転職しました。

ー HatchEduに参加したきっかけは?

「教育を変えたい」といっても、どこにニーズがあるか、自分に何ができるか、どのようなステップをふんだらよいか、まだわかっていない中で、いきなり事業をゼロから自分で立ち上げるというよりは、まずは既存のプロジェクトに横から関わるのが最初の取っ掛かりとしてはよいのではと考えました。同じような志をもつ人が集まるコミュニティで、しっかりサポートしてもらえる環境もあるという点にも魅力を感じました。

実は、教員をしていた頃、教員が学校外での活動に取り組むことを支援するプログラムに参加したことがありましたが、求められることが多すぎて、日々の業務をこなしながら取り組むことに難しさを感じました。その点、HatchEduは、もう少しハードルが低いところから始めることができ、関わりやすいと思いました。

ー Education Beyondのプロジェクトを選んだのはなぜですか?

プロジェクトのめざすものが自分の興味関心と合っていました。私自身がやりたいことは「多様な子どもたちの、個々のニーズに合った教育をつくりたい」ということで、Education Beyondの「学習意欲と知的好奇心が旺盛なの子どもたちのニーズにあう教育の提供を目指す」というプロジェクトのゴールに共鳴しました。

また、成熟していて規模も大きく、事業内容もよく知られている団体ではなく、できて間もない団体であり、まだ初期でいろいろ模索している段階であるというところに面白さを感じました。加えて、自分の教員の経験を活かして貢献できそうなこともありそうだと思い、今回Education Beyondのプロジェクトに応募しました。

「プロジェクト x 研修」の相乗効果で得た大きな学び

ー どんなことに取り組みましたか?

まず、Education Beyondが準備を進めている小中学生向けサマースクールの資金調達のためのリサーチに取り組みました。そもそも、教育分野でまず何か始めてみるというときに、サマースクールから始めてみるという方法があるんだ!と知ることができたのが新鮮でした。既存のサマースクールの市場調査なども、これまで全くやったことがないことだったので勉強になりました。

具体的には、企業向けファンドレイズに向けて、SDGsやSociety 5.0など、各企業の取り組む社会活動についてリサーチを行いました。教員としての経験や大学院で学んだことが生かせる内容のリサーチだったため、効率的に取り組むことができたと思います。

ー プロジェクト経験からどんなことが得られましたか?

全体的に、Education Beyondの代表理事の方とディスカッションをしながら進められたことが非常に楽しかったですし、いろいろな意味で勉強になりました。
また、資金調達の資料作成をしているとき、ちょうどHatchEdu全体の研修でも、HLABの高田さんから資金調達を実際にどのように行っているかについてのお話があり、プロジェクトと研修の相乗効果ですごく大きな学びがありました。教育事業を運営するのにこんなにお金が必要で、こんなにたくさん資金を提供する助成団体があって、また団体にあわせて訴求方法を変える必要があって…ということを学ぶことができました。

ー プロジェクトの時間をどのように捻出しましたか?

最初は平日の夜に作業していましたが、週末に作業やミーティングをすることもありましたし、平日の昼休みを使うこともありました。私のペースにあわせて時間確認をしてくれ、「進められる範囲で」と伝えてもらっていたので、やりやすかったですね。

いろいろな人がいて、勇気を認めてくれるコミュニティ

ー HatchEduコミュニティの参加体験はいかがでしたか?

いろいろな立場の人達と関われる、ディスカッションできるというのはとてもおもしろかったです!教員の方たちだけを対象とするプログラムはたくさんありますが、HatchEduのコミュニティは、教員の人もいるし、企業で働いていて教育に興味をもっているという人もいる。「いろいろな人がいる」というのがこのコミュニティの大きな特徴だと思います。

HatchEduでは、自由参加の研修やワークショップが頻繁に開催されていて、特に面白かったのが、自分のキャリアをみつめ直すためのセッションです。小グループで、自分がやりたいことは何なのか、模索しながらもじっくり話して、スッキリして、短い時間の中でも成長できたなと感じられました。

オンライン飲み会を主催できたのもよかったです!より深い話をする機会もできましたし、そこで出会った人たちとSNSでもつながることができました。

ー 今後、経験を生かしてチャレンジしたいことはありますか?

仕事が落ち着いたらぜひAコースに応募してみたいと思います。Aコースのみなさんを横で見ていて、ハードだけれども、熱意のこもったフィードバックをもらえるよい機会を享受されているなと思いました。「この期間の間にアイデアを形にする」というデッドラインが決まっているのもよいですね。

具体的には、学習空間デザインのプロジェクトなどを立ち上げてみたいと考えています。このテーマにいつか取り組みたいと思い空間デザインの勉強もしていましたが、ニーズがあるのかわからずにいたところ、HatchEduのメンバーに話したら興味を持ってもらうことができ、背中を押してもらえました。

ー これからHatchEduに応募する人へのアドバイスはありますか?

教育に興味がある人だったら誰でも参加してみてほしい。教育にまだ詳しくないという人にとっては、教育セクターの中にいる人とネットワークができる場にもなりますし、学校の先生にとっては、日頃、目の前の生徒や教科のことで頭がいっぱいになりがちなところ、気軽にふらっと参加できるセミナーなどもあって、視野も広がると思います。

Aコースの人もBコースの人も、当初思い描いていたとおりにプロジェクトが進まないこともあると思いますが、そのときどきで自分は何をしたいのか、何ができるのか、よく考えて、自分からとりにいく姿勢が大事だと思いました。私がHatchEduに満足できたのは、「こういうことに興味があります」と積極的に自己開示していたために、興味関心とマッチする業務をアサインしてもらえたからだと思います。

「やってみたら?」と言われて開催したオンライン飲み会もそうですが、ちょっとでもきっかけがあったとき、その機会を生かしてイニシアチブをとって動けば、その勇気を受け止めてくれるコミュニティだと思います。

受け入れ団体からのメッセージ

Education Beyond 代表理事 升野 頌子
設立したばかりのEducation Beyondのプロジェクトに熱意をもって参加くださってありがとうございます!岡部さんとは日本の教育の現状や、我々のプログラムの意義など根本に立ち返ることができ、資金調達活動などより一層前進しました。また、岡部さんの団体運営への興味のおかげで、私たちも非常にオープンにコミュニケーションをとることができ、大変救われました。改めて、ありがとうございました!

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構成:江森 真矢子
取材協力:升野 頌子